こちらの商品をお買い上げの方には、こちらもおすすめ!
メニュー
閉じる
検索
ログイン
カート
請求合計金額(税込)
商品カテゴリ
便利なサービス&ガイド
商品番号でのご注文
お気に入り商品
ファンケルが初めての方へ
ご利用ガイド
定期便の確認・変更
よくある質問・お問合わせ窓口
パスワードのお問合わせ
各種登録情報の変更
ログイン
こちらの商品をお買い上げの方には、こちらもおすすめ!
更年期はその後の長い人生を健やかに過ごすための転換点。体に起きる変化とその上手な向き合い方を、産婦人科専門医の高尾美穂先生にうかがいました。
更年期には、女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴い、様々な症状があらわれます。個人差も大きく、ホットフラッシュなどの「更年期症状」を感じる人は全体の6割程度で、日常生活に支障が出るような「更年期障害」を経験するのは全体の3割ほど。全体の約4割の人は、月経周期の変化を経て不調を感じないまま閉経します。症状のあらわれ方は心理的な要因(性格など)や環境の影響もあり、意外な不調が女性ホルモンに由来することも。
初潮から閉経までの約40年間、妊娠・出産を担う女性の体はエストロゲンというホルモンによって守られています。エストロゲンは脳の視床下部からの指令を受けて卵巣で分泌され、子宮や乳腺だけでなく、骨、血管、皮膚、肝臓、すい臓、脳など全身に作用しています。これらの臓器にはエストロゲンのレセプター(受容体)が備わっていて、血流にのって運ばれたエストロゲンをキャッチすることで、エストロゲンが作用します。
下図に示した主な働きだけでも「これもエストロゲンのおかげなの!」と驚くぐらい、全身にかかわっています。だからエストロゲンが減少することで、多岐にわたる症状があらわれるのです。気持ちを安定させる脳内物質のセロトニンや、脳の機能に関係するドーパミンなどの神経伝達物質の分泌にも、エストロゲンがかかわっています。
エストロゲン分泌量のピークは20代から30代の半ばまで。その後は徐々に減っていき、更年期には乱高下を繰り返した後、低い値で安定します。更年期の症状にはエストロゲンの分泌量が減ることに起因する不調のほか、自律神経の乱れに由来する不調があります。30代後半頃から卵巣機能が低下し、指令どおりの量が分泌されなくなると視床下部がパニックを起こし、視床下部のコントロール下にある自律神経の働きにも乱れが生じます。呼吸や体温調整、心拍、消化などに影響するため、のぼせや異常発汗、冷えなどの不調の原因となります。
このような理由から更年期には様々な症状があらわれますが、生活習慣を整えることで軽くできることがわかっています。今や女性の平均寿命は87歳。生活習慣の改善はその先の人生を健やかに過ごすことにもつながります。
更年期は生活を見直す良い機会です。生活習慣をいきなり大きく変えるのは難しいので、そろそろ更年期かなと感じたら、早めにセルフケアを始めましょう。健康の要は「運動」「食事」「睡眠」の3つです。更年期以降の健康維持に必要なのは、適度な運動。出かけるときに歩きやすい靴でウォーキングする、つま先立ちで家事をするなど、日常生活の中での運動を意識してみましょう。運動習慣には「筋肉量を維持する」効果がありますが、ほかにも、「血液中の糖・中性脂肪の増加を抑制」「骨を強くする」「抵抗力が高くなる」なども期待できます。更年期を迎える年代は公私ともに忙しく、十分な睡眠時間が確保できずに心身の不調となっているケースもあります。頑張りすぎずに休むことも大切。日中はしっかり体を動かし、夜に「十分な睡眠時間」をとることで、自律神経のバランスも整います。
3食をバランス良く食べることも、健康な体作りの基本です。更年期にさしかかるとエストロゲンの減少により、太りやすくやせにくくなります。肥満は生活習慣病のリスクを高めますから、まずは食事のスタイルを見直して適正体重を維持することが大事です。また、閉経とともに骨量が急激に減るので、カルシウムとその吸収を助けるビタミンDやビタミンKなども積極的に摂るようにしましょう。女性の体に良いといわれる食品に大豆があります。今はさらに研究が進み、女性にうれしい働きがある成分が含まれるということがわかってきました。大豆製品は低脂肪で良質なたんぱく質を含むすぐれた食品ですから、毎日バランス良く摂りたいもの。腸内環境が整っていると大豆の成分も働きやすくなります。
*大豆に含まれるイソフラボンの1日の推奨量より算出しています。
更年期はエストロゲンがない状態に慣れるのに必要な期間。不調のピークは閉経前後の3~4年で、今は更年期の不調をやわらげる治療法も確立されています。早めの対策が肝心です。
更年期を自覚するサインは生理周期のバラつきですが、いつ更年期が始まったのかは閉経を迎えない限りわかりません。40代にさしかかったら、そろそろ更年期だと心積もりして、早めの対策を始めましょう。40~50代は責任のある仕事を任されたり、子育てや親の介護などが重なったりして忙しく、生活リズムの乱れから自律神経のバランスもくずれがち。生活習慣を見直すほか、体調の変化を相談できる、かかりつけ医を見つけておくこともおすすめです。
閉経前は自律神経の働きが不安定になることによる不調、閉経後はエストロゲンの守りがなくなることによる不調があらわれます。生活習慣の見直しが肝心ですが、まずは生活の中でできるもの、ハードルの低いセルフケアから取り組んでみましょう。更年期の症状が強く出やすいのは自己犠牲をいとわない真面目な頑張り屋さんです。大きな環境の変化にぶつかったときも症状が重くなる傾向があります。イライラしたり不安になったりメンタル面でも落ち込みやすくなりますから、我慢しないで婦人科専門医を受診しましょう。
更年期を過ぎるとコレステロール値が高くなり、脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。特に気をつけたいのが骨と血管。ガクンと骨量が減るので、骨に刺激を加え、心肺機能を維持するためにも適度な運動習慣は欠かせません。食事や睡眠の見直しも含め、地道な日々の取り組みが20年後30年後も健康な体を維持する貯金になります。更年期以降はホルモンのゆらぎによる不調から解放され、人生50年の時代にはなかった「ご褒美」の時間が訪れます。
心と体に不調が起こりやすい女性の40代。それは、女性ホルモンと深いかかわりがあります。今回は、連続企画「産婦人科医 高尾美穂先生に聞く」の前編。変化していく体の正しい知識と特に注意したいコレステロール対策について、詳しく教えていただきました。
40代で大きく変化する女性の体。それまで体を守っていた女性ホルモンが減少することで、健康にもさまざまな影響があらわれます。今回は、連続企画「産婦人科医 高尾美穂先生に聞く」の後編。更年期以降に気をつけたい健康数値のひとつ、血圧上昇のしくみと対策について詳しく教えていただきました。
更年期を経て女性の体は大きく変わります。卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)がアップダウンしながら激減するため、身心に不調があらわれます。変化の時期を穏やかに、そして閉経後の長い人生を健やかに過ごすために、プレ更年期からポスト更年期の体の変化と対策について、産婦人科専門医の高尾美穂先生にうかがいました。
「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、専門的な知識をわかりやすく伝える啓蒙活動に精力的に取り組んでいる。『いちばん親切な更年期の教科書 閉経完全マニュアル』(世界文化社)ほか著書多数。